台湾、米国、日本、オーストラリアは20日と21日の両日、台湾と米国が締結した「グローバル協力訓練枠組み(Global Cooperation and Training Framework、GCTF)」の下、インド太平洋地域のエネルギーに関するグッド・ガバナンス(good governance)やレジリエンス・ソリューションをテーマにした国際ワークショップを開催した。
GCTFの枠組みの下でエネルギー関連のワークショップが開催されるのは、2016年にアジア地域のエネルギー効率を取り上げたものに続く2回目。今年はテーマの対象をインド太平洋地域に拡大し、エネルギーのグッド・ガバナンスに焦点を当てた。
注目すべきはオーストラリアが今回、初めてGCTFのワークショップの開催国に加わった点だ。澳洲弁事処(台湾における豪州大使館に相当)のGary Cowan代表は祝辞で、「インド太平洋地域におけるエネルギー需要は世界の5分の3を占める。2050年にはその需要が、少なくとも現在より20%増える見込みだ。このため、エネルギーのグッド・ガバナンスは極めて重要な課題になる。エネルギー管理に必要な大きな3つの方針には、明確且つ一貫した政策と方向性、インフラ建設への投資、イノベーションの支援がある。オーストラリアと台湾はいずれもエネルギーの構造転換において、すでに明確な方向性、目標、タイムテーブルを示している」と述べた。
Gary Cowan代表はまた、「豪マッコーリー社や日本企業などが台湾の洋上風力発電事業に投資しているほか、今月12日にはオーストラリア初のプレリュードFLNG船が台湾に到着した。オーストラリアは台湾を重要な協力パートナーと見なしており、二酸化炭素の排出削減、エネルギーの安全などグローバルな課題における台湾の貢献を高く評価している。オーストラリアは、理念の近いパートナー諸国と共に、開放的、競争的且つ透明なエネルギー市場を作り上げていきたいと考えている」などと述べた。
経済部(日本の経済産業省に相当)の沈栄津部長(=大臣)は、「インド太平洋地域の人口は世界の総人口の半数以上を占め、経済発展が最も活発な地域の一つでもある。この地域には主要なエネルギー消費国だけでなく、エネルギーの海上輸送経路の多くが存在する。エネルギーのインフラ建設は極めて重要で、このワークショップを通してインド太平洋諸国のエネルギー・アクセシビリティを強化し、同時に透明かつ開放的なエネルギー市場、公平で互恵性のあるエネルギー貿易、それにエネルギーの供給が中断したときの対応措置などを確立したい」と述べた。
沈栄津部長は、「国際協力は、インド太平洋地域内のエネルギーの安全やレジリエンス(強靭性)を高め、エネルギー・ガバナンスを改善するための重要な手段だ。台湾は米国、日本、豪州などの国々と液化天然ガス(LNG)の調達などの方面で協力関係を築き上げており、今後もこの協力がより緊密なものになると考えている。これからもアジア太平洋経済協力会議(APEC)など地域内の国際組織を通して、地域におけるエネルギー協力を推進していきたい」と抱負を語った。
今回の会議は、従来のような大規模な公開会議ではなく、小規模ながら深い議論が可能なトレーニング・ワークショップ方式で行われた。インド太平洋地域15カ国のエネルギーの専門家らが参加した。